僕はいつもこんなことを考えている

人生はとても短い。 とてつもなく速い時の流れの中で僕はいつもこんなことを考えている。

我が青春の劇場

 

東日本大震災が起こった9年前のあの日

あの金曜日の昼下がり

あの瞬間

 

僕はグランパーク東宝8という映画館で

映画『英国王のスピーチ』を観ていた。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%B1%E5%9B%BD%E7%8E%8B%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%81

 

 

まだ本編が始まる前だったけど

突如として激しい揺れにみまわれ

吊り下げられたスピーカーが

グラングラン揺れた。

 

あ,ここで死ぬんだなって…

なぜか冷静な僕。

 

まもなく客電が灯り

劇場の係員が建物の外へと誘導する。

 

不安気な人々。

 

しばらくしてスタッフの案内により

料金払い戻しをして帰路につく人々。

 

 

僕はふと思い出した

あ,まだ飲んでないコーラ

座席に置いてきたし😫

 

スタッフに

「あのぅ,,座席にコーラ忘れてきちゃったんですけど

取りに行ってもいいですか?」

と。

 

意外にもオッケーをいただけたので

だーれも居なくなった劇場に戻ったら

いくつものポップコーンやらドリンク類が置き去りになっていた。

 

いざって時,人はポップコーンとか忘れちゃうんだなって。

 

 

そして僕はコカコーラを飲む。

 

東北地方で数分後におこる津波のことなど

想像だにせずに。

 

 

その劇場は2日後の日曜日に閉館予定だったのが繰り上げで

その地震をもって長い歴史に幕を下ろした。

 

あれから9年

建物はそのまま残っていたけど

ついに取り壊されることに。

 

 

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あの位置はスクリーン1だったか

スクリーン5だったか

全ての座席は撤去されていたけど

 

 

僕の記憶というタイムマシーンが

お気に入りの場所

後ろから2列目の真ん中らへんにいるはずの

僕に会わせてくれたような気がした。

 

あの大好きだった劇場

さようなら

そして

ありがとう。